アスベストの調査
Survey
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工事前アスベスト調査の法的義務
石綿障害予防規則第3条(厚生労働省)
事業者は、建築物・工作物・船舶の解体・改修作業前にアスベスト調査を実施すること。
大気汚染防止法第18条(環境省)
建築物等を解体・改造・補修工事の受注者は、工事が特定工事に該当するか否かについて調査すること。
※特定工事とは「特定粉じん排出等作業を伴う工事」のことを指し、特定粉じんは「アスベスト」のことを指します。
下の表は右にスクロールできます。
調査の種類 | 確認できること | 調査の種類 |
---|---|---|
1 机上調査 竣工図や既存調査報告書のレビュー |
耐火被覆や内装材の使用状況の超概要を特定できる。 | 設備機器周りの保温材等の使用状況は特定できない。現状と資料情報との差は特定できない。 |
2 目視調査 アスベスト建材の使用の有無や範囲を確認 |
アスベストの含有懸念建材の使用の有無や範囲を特定できる。 | 目視だけではアスベスト含有の判定はできない。 高所や隠蔽部(外壁裏や設備内部等)への使用状況は特定できない。 |
3 分析調査 採取試料のアスベスト分析 |
アスベストの含有の有無を特定することができる。 | |
4 破壊調査 内装や設備の破壊を伴う詳細目視調査 |
目視調査で確認できなかった部位へのアスベスト含有懸念建材の使用状況を特定できる。 | 調査終了後に機能の復旧が要求される場合、破壊調査を実施できない可能性が高い。 |
■図面情報だけでは懸念建材をすべて網羅できない。設備機器周りの保温材等は図面上に記載されていない。
■「既存調査報告書あり=解体前調査が不要」ではない。ほとんどが改修工事に伴う単発の分析調査のみ。建物全体を網羅した調査が実施されているケースは少ない。
■「対策工事実施済み=アスベストなし」とは限らない。
手が届きにくい箇所(高所や電子版裏等)に取り残しが見られる。(スーパーゼネコン元請工事でも取り残しは多く見られる)
机上調査のみでの対応は、想定するアスベスト対策費用に大きなブレが生じる可能性があります。
机上調査は、目視・分析調査を円滑に進めるための事前準備という位置づけです。
■目視調査/分析調査不可となったエリアや建材にアスベストが使用されていると“みなした”場合、対策費用が膨れることになる。
■売買価格から減額費を削減するためにも、“レベル1建材”や仕様範囲が広い建材を中心とした分析調査の実施が望ましい。(土壌調査におけるホットスポット調査)
対策費用への影響が大きい建材を中心とした調査が望ましいです。
■機械設備内部への保温材・断熱材等の使用の有無を確認するため、ラッキングを一部開口する必要がある。
■また水回り(便所・浴室・屋上等)の壁・床への防水材の使用の有無を確認するため、防水層までのハツリ作業が必要となる。
■保温・断熱・防水といった機能復旧ができないことから、破壊調査終了後、一定期間建物・設備を利用する場合、破壊調査の実施は不可になる可能性が高い。
石綿障害予防規則にて2006年9月1日以降、アスベストの製造・輸入・譲渡・使用を全面禁止とされているため、それ以前に着工された建物については調査が必要になります。
着工日が、2006年9月1日の建築物・工作物については、調査対象外と規定されています。